飲食店を始める場合、たいていの人が 美味しい料理を作れる。と思っていると思います。
でも、美味しい料理をそのまま提供しても、ふつーの美味しい料理です。(^^)
えっ? 何がダメなの?
いえいえ、ダメではありません。でも料理はそのまま出すよりもっと『美味しいと感じさせる』方法もあるはずなんです。
これは私がやっていたお店でのエピソードの1つです。
全く流行っていない時、1人のお客さんが来店されたんです。
石焼ピビンバをご注文されました。
そして普通に出したんです。
そうすると、そのお客さんは無言で食べています・・・。 無言で。そして時折首をかしげます・・・。
「何かクレームか??」流行っていない店にいると全てがマイナス思考・・・。(笑)
でもキレイに食べてくれました。
そしてそのお客さん、僕に向かって、
お客さん:「料理はしっかりしてる。うまい。でも客が入ってない・・・でも何でこの店流行ってないんや?」
私:「・・・なんででしょうか?」
お客さん:「上から言うつもりはないんやけど、ちょっと言わしてもらってもええかな?」
私:「もちろんです!」
お客さん:「この、石焼ピビンバはめちゃくちゃ旨い。でも、それが伝わらへんねん・・・
何でかわかるか?」
私:「わかりません」
お客さん:「例えば、同じラーメンが二杯あって、一杯は、暖かい店の中でしっかりと作られたラーメンを食べる。もうひとつは、寒い屋台の中で、屋台のおやじが『熱いから気ぃ付けや!』といって出してくれる湯気がモウモウと上がったラーメン・・・」
どっちのラーメンが旨く感じる?
私:「屋台のラーメンです。」
お客さん:「そうやねん。絶対この場合、同じラーメンでも 屋台のラーメンの方が、絶対に旨く感じるねん。この店の料理には、この演出がないねん!!暖房もかけすぎや。」
確かにです。普通に作って、普通にお客さんに出していました。応用・工夫すれば屋台のラーメンのように石焼ピビンバもお客さんに出せる!
そんなお客さんからのアドバイスにより、石焼ピビンバは石をカンカンに焼いてから、お客さんに出す前に、スープを少し入れる事にしました。
そうすることで、湯気がボウボウにあがります。
また、
「熱いので気をつけて下さ~い!!」
と、少し大げさに持っていく事にしました。
そうすると、お客さんは、「お~っっっ!!!!」と驚いてくれます。 これぞ期待感!! さらに美味しいと感じさせるコツです!!
これを応用すると他の料理でも演出できるはずです。
よりおいしく感じさせる。 考えるだけで楽しいですね。